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労働条件の明示

労働基準法15条では、「使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。この場合において、賃金及び労働時間に関する事項その他の厚生労働省令で定める事項については、厚生労働省令で定める方法(=書面)により明示しなければならない。」という決まりがあります。



ここに注意

以下については絶対に明示しなければいけません。(=絶対的明示事項)
 ①労働契約の期間
 ②期間の定めのある労働契約を更新する場合の基準に関する事項※
 ③就業の場所、従事すべき業務
 ④始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間・休日・休暇、労働者を2組以上の分けて交替就業させる場合における就業時転換に関する事項
 ⑤賃金(退職金、賞与等を除く)の決定・計算・支払いの方法、賃金の締切・支払の時期、昇給に関する事項
 ⑥退職に関する事項
   ※期間の満了後に労働契約を更新するとした場合に限る


なお、明示する方法ですが、昇給に関する事項以外は書面での交付が絶対です。
書面を渡していないなんてのは論外ですが、せっかく作っても内容をきちん押えていないと、「最初に聞いていた内容と違う!」なんてことにもなりかねません。
(例えば、通常はA店で勤務しているけど時々はB店に応援で入ってほしいなんて場合に、勤務地をA店だけしか書いてなかったら、「条件と違うので従えません。」なんてこと主張されるかも知れませんよ!)

そのほか、絶対に決めなきゃいけない項目ではないけれど、決めたんだったら明示しなければいけない項目として、相対的明示事項というものがあります。
 ①退職手当の定めが適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払いの方法並びに退職手当の支払いの時期に関する事項
 ②臨時に支払われる賃金(退職手当を除く)、賞与等及び最低賃金に関する事項
 ③労働者に負担させるべき食費、作業用品その他に関する事項
 ④安全及び衛生に関する事項
 ⑤職業訓練に関する事項
 ⑥災害補償及び業務外の傷病扶助に関する事項
 ⑦表彰及び制栽に関する事項
 ⑧休職に関する事項

例えば、退職手当(退職金)は必ずしも必要ではありません。
「うちの会社は退職金制度はないよ。」というのでも全然OKです。
でも、退職金制度を設けたんだったら明示しなければいけないよということです。




こうすればいい

絶対的明示事項については「書面で・・・」となっていますが、決められた書式というのはありません。
もちろん厚生労働省では労働条件明示書のサンプル書式を用意してくれています。
社長さんの会社が、オーソドックスな雇用形態でしたらその書式を使ってもかまいません。
でも、いろんな働き方の社員がいるとか、勤務時間がバラバラだとか、週休2日じゃないとか・・・

イレギュラーな雇用形態をとっているならオリジナル書式を作ったほうが安心です。




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テーマ : 労働問題解決・労務リスク対策
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判例:求人と採用時の条件の相違

○八洲事件 東京高判昭58.12.19
入社後の賃金額が求人票の賃金見込額(初任給の額)を下回るとして差額を請求

→求人票はあくまで見込額であり最低額を保障したものではない
ただし、応募者は求人票に記載された額の支給が受けられるものと信じて求人に応募しているのであるから、求人票額を著しく下回る額で確定することは「信義誠実の原則」(民法1条2項)に反する



○小野病院事件 福岡地決昭57.9.9
採用時に配布されたパンフレットの記載および病院事務長による説明会で説明された賞与が支払われなかった

→事務長は、病院経営が順調にいくことを前提とした場合の見込みを説明したものにすぎず、説明された賞与の支払いを支給することを約束したものではない



○ファースト事件 大阪地判平9.5.30
「月額162,000円~350,000円」という求人広告を見て応募してきた労働者が、実際には月額120,000円程度の賃金しか得られなかったために差額を求めた

→新規卒業者を画一的に採用する場合と異なり、中途就職希望者の年齢・能力・希望賃金には幅があるため、採用時に使用者と応募者との間で賃金の交渉がなされるのが自然(他の労働条件については詳細な説明を受けながら、賃金について説明を受けなかったとする労働者の主張は不自然)



● 日新火災海上保険事件 東京高判平12.4.19
新卒同年次定時採用者と同等額を約束(新卒同年次定期採用者と同額を約束します)する就職情報誌の求人広告をみて応募し採用された労働者が、実際には同年次平均を下回る基本給によって賃金が算定されたとして、差額分と慰謝料を請求

→求人広告は個別的な申込の意思表示とみることはできないとして、差額請求は棄却
しかし、(会社が中途採用者の初任給の格付けを行っていたにもかかわらず応募者に開示せず)広告や社内説明で同程度と信じさせかねない説明をしたとして、労基法15条(労働条件の明示)に違反し信義誠実の原則に反するとして、慰謝料100万円を命じた


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求人について

求人しようとするときには、まずどんな条件で雇うのかを決めなければいけません。
個人的に募集~採用したときには、「賃金とか細かいことはおいおい決めていこう。」なんて話になることもありますが、これはトラブルの元です。

そもそも、ハローワークに募集をかけようとするなら、従事する職業の内容や賃金、労働時間など一定の事項について明示しなければならないと決められています。

いわゆる求人票というやつですね。

ところで、求人票を見て募集してきた相手と、求人票の内容とは異なる内容で契約してもいいんでしょうか?

厳密にいうと求人票は「○○という条件で募集します」というだけのものであって契約書ではありません。
ですから、求人票を見て募集してきた相手に対して、求人票とは違った労働条件を提示してもかまわないんです。

たとえば、「求人票では賃金20万円~25万円としているが、募集してきた人はちょっと経験不足だなぁ。でもやる気はあるみたいだから18万円位だったら雇うてもいいかな?」なんてこともあり得ますよね。
相手に対してそのことをちゃんと伝え、相手もそれを納得した上で雇用契約を結べば問題はありませんが・・・

求人票をみて募集してきた求職者は、「求人票に記載された労働条件がそのまま採用条件となる。」と思っています。
ですから求人票と異なる内容で契約するのはトラブルの元です

この相手と賃金のことでトラブルになったことを考えてみてください。
賃金の額は口約束だけです。
ですから、相手が「自分の賃金は最低でも20万円だ!」と主張したとしても何にも証拠がありません。
もちろん『18万円で契約した』という証拠もありませんから、18万円か20万円かは水掛け論です。

だったら、労働条件なんてきっちりと言わないほうがいい!?



ここに注意

雇用契約自体は口頭だけでも成立します。書面を交わさなければいけないという決まりはありません。
ですが、一方で、労働基準法15条には「使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。この場合において、賃金及び労働時間に関する事項その他の厚生労働省令で定める事項については、厚生労働省令で定める方法(=書面)により明示しなければならない。」という決まりがあります。

つまり、契約自体は口約束でもいいけど、その前段階として、労働条件は書面で提示しなければいけないということですね。


前述の社長さんは、口約束だけで契約書も労働条件通知書を出していませんでした。

契約書がないことは法違反ではありませんが、労働条件通知書がなければ法違反です。
18万円か20万円か水掛け論をしている一方で、社長さんの側には法違反があるとしたら・・・
どっちの言い分が信用されると思いますか?



こうすればいい

労働条件通知書を出さないわけにはいきません。
だったら、無用な期待や誤解を招かないよう、きっちりとした形で出しておきましょう!

厚生労働省のホームページに行けば『モデル労働条件通知書』はありますが、これは役所が考えたもの。
どっちかというと、労働者目線ですので、社長さん側からすると言葉足らずです。

書式に決まりはありません。
"会社を守る"ために、効果的なオリジナル労働条件を作りましょう!!



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判例:健康管理(HIV検査)

●HIV感染者解雇事件 東京地判平7.3.30
ソフトウエア業務を営むA社に雇用され、タイ王国のB社に派遣されていた労働者が、現地病院の検査によりHIV感染していることが判明したため、A社は労働者を帰国させたのち解雇した

→HIV感染を理由とする解雇は社会的相当性の範囲を著しく逸脱した違法行為であるとして解雇無効とし、A社、B社、B社の社長Cに各300万円の支払いを命じた



●T工業(HIV解雇)事件 千葉地判平12.6.12
HIV抗体検査等を行った会社の行為がプライバシーの権利の侵害行為に該当する

→会社に200万円、本人の意思を確認せずに検査を行った病院の経営者に150万円の支払いが命じられた
(解雇については、雇用契約はすでに終了しているとして、雇用契約期間満了までの賃金請求権のみが認められた)



●東京都(警察学校・警察病院HIV検査)事件 東京地判平15.5.28
HIV陽性が判明した者への入校自体勧告の結果、警察官が辞退した

→HIV抗体検査を実施することの必要性を認めることができず、プライバシーを侵害する違法な行為として、東京都に対し330万円、警祭病院に対して110万円の損害賠償が命じられている



●B金融公庫(B型肝炎ウイルス感染検査)事件 東京地判平15.6.20
B型肝炎ウイルスに感染していることを理由としてなされた内定取り消し

→B型肝炎ウイルスについて検査すべき必要性は認められず、仮に必要性が肯定できるとしても本人の同意を得ずにこのような検査を行うことは許されず、検査を行った行為がプライバシー権侵害に該当するとして、損害賠償150万円の支払いが認められた


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判例:労働者の損害賠償責任

労働者が仕事上のミス等により使用者に損害を与えた場合、その損害を賠償する責任を負うことがありますが、その際、労働者が賠償すべき金額は、損害の公平な分担という見地から、信義則を根拠として減額されます。

上記の減額の幅は、労働者が行った加害行為の態様、労働者の地位・職責・労働条件、加害行為の予防や損失の分散(保険の利用)についての使用者の対応のあり方等の諸事情を考慮して判断されています。
(事案によっては減額が認められないこともありえます。)



●茨石事件 最一小判昭51.7.8
石油等の輸送・販売を業とするX社の従業員Yは、タンクローリーで重油を輸送中に、Yの車両間隔不保持・前方不注意が原因で追突事故を起こした
X社は、車両修理費33万円+追突車両への損害賠償8万円を支払ったため、Yに対してこの41万円の支払いを求めた
なお、X社は対物賠償責任保険および車両保険には未加入、Yは普段は小型貨物自動車の運転業務に従事しており、タンクローリーには臨時的に乗務するに過ぎなかった

→損害の公平な分担という見地から、信義則上相当と認められる限度において被用者に対して損害賠償請求できるのであって、本件の事実関係のもとでは請求できる額は1/4を限度とすべきとした原審の判断は正当である


労働者に対する損害賠償請求は、使用者が現実に被った損害に基づくものでなければならず、あらかじめ損害賠償の額を決めておくこと(車をぶつけたら一律30万円など)は、労基法16条により禁止されています。

また、使用者が労働者のミスに対して課す金銭的な制裁には、懲戒処分として行われる減給もありますが、これは、(損害賠償とは性質を異にするものであるので)懲戒処分に関する規制を受けることになります。



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男性トラック運転手、残業代約700万円支払いを提訴

 長時間労働が続いているのに残業代が未払いだとして、神奈川県在住の30代男性トラック運転手が勤務先の運送会社に対し、未払い残業代約700万円の支払いを求める訴訟を22日付けで東京地裁に起こし、23日東京都内で記者会見を行いました。

 訴状や男性が加入する労働組合によりますと、男性は2008年に運送会社に入社し大型トラックで乳製品や冷凍食品を運ぶ業務をしていますが、勤務は1日11時間を超えており、深夜や早朝の仕事も頻繁でしたが、業務時間の明確な算出がされていないということです。

 男性は会見で「多くのドライバーが同じ状況で働いていることを伝えたい」と話しました。

  ~PSRNetworkより~



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判例:経歴詐称

すべての経歴詐称が懲戒処分の対象となるわけではなく、真実を告知したならば採用しなかったであろう重大な経歴詐称にあたる場合に、懲戒解雇が有効とされる場合が多いです。

学歴に関しては、労働者の適正な配置を誤らせる等の理由がある場合には、これに基づく解雇を有効とする裁判例が見られます。
一方、職歴に関しては、「経験者であることを隠した事件」と、「経験者であると虚偽の申告をした事件」との両方があります。



○弁天交通事件 名古屋高判昭51.12.23
経験者を雇用しない方針のタクシー会社が、採用面接の際にその旨を伝えていたにも関わらず、以前別のタクシー会社に勤務し、懲戒解雇されたことを秘匿

→ (労働契約時の信義則違反にとどまらず、入社後においても)労使間の信頼関係を損ない企業秩序を乱すものとして、懲戒解雇が有効



○立川バス事件 東京地八王子支判平1.3.17
乗車券の不正使用や自家用車の飲酒運転等を理由に解雇された職歴を秘匿して採用された社員に対する、秘匿を理由としたけん責処分

→有効


なお、犯罪歴については、起訴され裁判の最中であることは「罰」に含まれない(大森精工機事件・東京地判昭60.1.30)とされ、また起訴猶予事案等の犯罪歴(いわゆる前歴)までは記載すべき義務はない(マルヤタクシー事件・仙台地判昭60.9.19)とされています。
さらに、少年時代の非行に関する申告義務もない(西日本警備保障事件・福岡地判昭49.8.15)とされています。



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募集について

新しく従業員を募集しようと思ったときに、まずハロ一ワークに求人募集することが多いと思います。
そのほか、求人広告や求人誌に掲載したり、店の前に「社員募集中!」なんて張り紙をすることもあるでしょう。
この求人ですが、募集する側が好き勝手な内容で募集していいわけじゃありません。




ここに注意

●性別による差別の禁止
「男性スタッフ募集」というように性別を限定した募集は禁止されています。
(カメラマンや看護というように、一方の性別に限定した言葉を使うのもダメです。)

また、「身長170cm以上の人に限る!」というように、一見性別とは無関係に見える内容に思えるものも、結果的に男女差別につながる恐れがあるので合理的な理由がない限り不可とされています。
(身長170cm以上で区切られると、多くの女性は門前払いになっちゃいますからね。)


●年齢による差別の禁止
募集・採用のさいには、原則として年齢を不間としなければいけません。
ですから、「若者向け洋服の販売スタッフとして30歳以下の人を募集」といった具合に、年齢を区切ってはいけません。
(例外的に年齢制限が認められている場合もありますが、それは、定年年齢以下の年齢を募集する場合や逆に法律で年齢制限が設けられている場合、そのほか長期勤務のキャリア形成を図る観点から若年者を募集するなど、限定的なものです。)


こうすればいい

・洋服販売スタッフ募集(年齢不問)・・・当社がターゲットとするファミリー向けの商品に関する情報を提供し、また、販売促進のため必要に応じ商品を着用して、当社商品を販売する援客業務です。

・長距離トラック運転手募集(年齢不問)・・・長距離トラックを運転して、札幌から大阪までを定期的に往復し、資材(○kg程度)を上げ下ろしする業務です。この業務を継続していくためには持久力と筋力が必要です。

「スタッフ全員20代! 若い力でがんばります!!」というコピーは、20代でなければならないとか、20代を優先して募集しているといった誤解を求職者に生じさせる恐れがない限り年齢制限しているとはなりません。



なお、応募してきた人の中から誰を採用するかは社長さんの自由であって、そこに禁止事項はありません。
ただし、相手に対して経験や能力、適性が採用基準に達していないことを伝えづらいため、表向きの不採用事由として性別や年齢をあげてしまうと法違反となりますのでご注意ください。




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判例:懲戒解雇

●フジ興産事件 最二小判平15.10.10
得意先との間でトラブルを発生させたり、上司の指示に対して反抗的な態度をとる労働者Xに対して、「暴言を吐くなどして職場の秩序を乱した」との理由で懲戒解雇

→労働者を懲戒解雇するには、あらかじめ就業規則において懲戒の種別および事由を定めておくことを要し、その就業規則が拘束力を生ずるためには、労働者に周知させる手続きが取られていることを要する
(就業規則を制定し行政官庁に届け出ただけでは足りない)

使用者は、懲戒の種類及び事由を就業規則で明確にし、周知することで初めて懲戒処分をすることができるが、その規定については合理的であることが求められる
就業規則に規定される懲戒処分の対象となる事由については包括的な表現がとられることも多いが、裁判所は、具体的な事実がそれらの事由に該当するか否かを判断するに際して、企業秩序の維持という趣旨に照らして、限定的に解釈する傾向にある

具体的な懲戒の適否については、その理由とされた行為との関係において判断されるが、特段の理由がない限り、懲戒当時に使用者が認識していなかった行為を、後から懲戒理由に追加することはできないと解されている(山口観光事件最一小判平8.9.26)

また、労働契約法15条は、懲戒が客観的に合理的な理由を欠き社会通念上相当であると認められない場合には、権利の濫用として無効とすることを定めている

懲戒処分の種類について法律上の定めはないが、減給については、労基法91条「1回の減給の額は平均賃金の1日分の半額を超えてはならず、減給の総額は1つの賃金支払期における賃金総額の1/10を超えてはならない」とされている


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判例:休職制度

休職事由が消滅すれば休職は終了することになりますが、休職期間が満了した時点で、未だ休職事由が消滅していないときには、解雇または自然退職となります。

傷病休職において、休職事由の消滅を認めるためには、原則として従前の職務を支障なく行うことができる状態まで回復したことが必要とされますが、職種や業務内容を限定していない労働者の場合は、使用者は(従前業務への就労は無理でも)ほかに従事できる業務があるか否か、あるとして実際に配置可能であるかなどを効力することが求められます。



●東海旅客鉄道事件 大阪地判平11.10.4
労働者Xは、3年間の休職期間満了前に復職の意思表示をしたにも関わらず、会社は、Xに言語障害の後遺症があるため就労可能な業務がないとして、休職期間満了をもって退職扱いとした

→職種や業務内容を限定せずに雇用契約を締結している場合、復職の可否は、休職前の業務に限らず、諸事情を考慮し現実に配置可能な業務の有無を検討する必要がある



○アロマ・カラー事件 東京地決昭54.3.27
復職の要件とされる「治癒」とは、従前の職務を通常の程度に行える健康状態に復した時をいう(平仙レース事件浦和地判昭40.12.16)ので、従前の職務を遂行することが可能な程度に回復していない場合には、復帰可能状態にあるとは認められない

→労働者が就労可能な範囲で労務を提供することを希望したとしても、使用者はそれを受領する義務はなく、またそれに見合った業務を見つける義務もない


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判例:勤務場所の変更

○東亜ペイン事件 最二小判昭61.7.14
就業規則に「業務の都合により異動を命ずることがあり、社員は正当な理由なしに拒否できない」と定められていたが、家庭の事情を理由に転勤命令を拒否

→就業規則等で転勤を命ずることができる定めがあり、実際に転勤が頻繁に行われており、入社時に勤務地限定の合意がなかったとするなら、使用者は個別的同意なしに労働者の勤務場所を変更できる
(ただし、濫用することは許されない)



●新日本製鐵事件 福岡地小倉支決昭45.10.26
八幡製鉄所で採用(勤務地限定特約なし)された工員を、遠隔地の君津製鉄所に配置換え

→本社採用された将来幹部となるべき社員ではなく、現地採用された現場労働者であるから、特約ない限り勤務場所は人幡製鉄所と解するべきとして、転勤命令は無効



●新日本通信事件 大阪地判平9,3.24
採用面接の際に、担当者に対して家庭の事情で転勤できない旨述べ、それに対して担当者は否定せず、また本社からも何の保留もなく採用許可の通知あり

→勤務地を仙台に限定する合意が存在したと認められ、転勤命令は無効



○グリコ協同乳業事件 松江地判昭47.2.14
事務系の職務に従事してきた大卒従業員に対し、他営業所においてセールス系の職務に従事することを命じた

→大卒入社で将来幹部職員となることが予定されていることから、勤務場所は特定されておらず転勤命令は有効



◆男女雇用機会均等法
行令で定める以下の3つの特置について、合理的な理由がない場合、問接差別として禁止されます。
 1.募集・採用に当たり、労働者の身長、体重又は体力を要件とすること
 2.コース別雇用管理制度における総合職の募集・採用に当たり、転層を伴う転勤に応じることができることを要件とすること
 3.昇進に当たり、転勤の経験があることを要件とすること


◆育児介護休業法
事業主は、労働者を転勤させようとするときには、育児や介護を行うことが困難となる労働者について、その育児又は介護の状況に配慮しなければいけません。
(以下は、配慮すべきことの一例)
 1.その労働者の子の養育又は家族の介護の状況を把握すること
 2.労働者本人の意向を斟酌すること
 3.就業場所の変更を行う場合は、子の養育又は家族の介護の代替手段の有無の確認を行うこと



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判例:管理・監督者

労基法41条2項にいう管理・監督者とは、労基法が規制する労働時間、休憩、休日の枠を超えて活動することが当然とされる程度に、企業経営上重要な職務と責任を有し、現実の勤務体系もその規制になじまないような立場にある者をいいます。
そして、管理・監督者か否かは、経営方針の決定に参画したり労務管理上の指拝権限を有する等、経営者と一体的な立場にあるか否かを実態に即して判断すべきとしています。

具体的には、以下のことが必要とされています。
 ①企業経営に関する決定に関与し、指揮監督権限を付与されていること
 ②出退勤について厳格な管理を受けていないこと
 ③役職手当等の支給や賞与についての優遇などにより、管理・監督者にふさわしい待遇をうけていること



●株式会社ほるぷ事件 東京地判平9.8.1
X(A支店の販売主任)は支店長会議に出席することもあり、支店長からの指示を伝えるなどしていたが、タイムカードにより厳格な勤務時間管理を受けており、勤務時間について自由裁量を有していなかった
また、支店の営業方針や販売計画に関して独自に指揮命令を行う権限をもっていたとは認められない

→ 管理・監督者には該当しない



●静岡銀行事件 静岡地判昭53.3.28
支店長代理相当職の者について、出退勤時間の自由がないこと、部下の人事(人事考課)の仕事に関与していないことなどから、経営者と一体となって銀行経営を左右するような仕事には全く携わっていない

→ 管理・監督者には該当しない



●風月荘事件 大阪地判平13.3.26
カラオケ店店長について、他の従業員と比べて格段に高額の手当(月13万円)が支給されているが、他方で、会社の営業方針等の決定に参画する権限はなく、タイムカードによる時間管理を受け従業員に対する人事権もなかった

→ 管理・監督者には該当しない



●日本マクドナルド事件 東京地判平20.1.28
ファーストフード店店長について、その職務や権限は店舗内の事項に限られており、経営者との一体的な立場で労基法の枠を超えて活動するような重要な職務と権限を付与されているとは認められないこと、労働時間に関する自由裁量性があったと認められないこと、店長の賃金は管理・監督者に対する待遇としては十分であるとはいえないこと

→ 管理・監督者には該当しない


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判例:労働時間

●三菱重工業長崎造船所事件 最一小判平12.3.9
労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間を労働時間といい、指揮命令下にあるかどうかは客観的に定まる(就業規則等で決定されるものではない)

→所定労働時間外でも使用者から義務付けられたときには労働時間に該当する
 (労働時間に該当するとされた例)     (労働時間に該当しないとされた例)
  ・更衣所での作業服・保護具の着脱   ・入退場門⇔更衣室の移動時間
  ・資材等の受出しや月数回の散水     ・手洗い、洗面、入浴などの時間
  ・更衣所⇔作業場の移動時間



● 京都銀行事件 大阪高判13.6.28
始業時刻前にほぼすべての男性行員が出勤し、就業時間後も大多数が残業を行うことが常態となっている場合

→これらの作業に要する時間が使用者の黙示の指示による労働時間と認められ、時間外割増賃金の支払いが命じられた



●大星ビル管理事件 最一小判平14.2.28
24時間勤務に従事するビル警備員の仮眠時間

→仮眠室で待機することと、警報・電話等に直ちに対応することが義務付けられていることを理由に、労働時間であると判断された



●大林ファシリティーズ事件 最二小判平19.10.17
住み込みのマンション管理人が、平日には所定労働時間外にも住民の要求に応じて宅配物の受渡しを行うよう指示され、断続的業務に備えて待機せざるをえない状況に置かれていた

→居宅における不活時間を含めて労働時間に該当すると判断された
(日曜祝日については上記のような義務付けはなかったとして、ゴミ置き場の開閉など現実に業務に従事した時間のみが労働時間に当たるとされた)


従業員に時間外労働させるためには…・
1.三六協定を締結し、届け出ること
 → 使用者は(時間外労働をさせたという)罰則の適用を免れるだけ
2.労働契約上の根拠が必要
 → 「業務上必要があれば、三六協定の範囲内で時間外労働を命じうる」旨の就業規則など



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判例:試用期間

裁判所は、ほぼ一貫して「試用期間中に労働契約がすでに成立している」とする立場をとっているため、いかなる場合に解約権が行使できるかが争点となっています。


○雅叙園観光事件 東京地判60.11.20
周囲と問着が絶えなかった労働者の行為

→就業規則の解雇事由「就業態度が著しく不良でほかに配置転換の見込みがないとみとめたとき」に該当するとして、解雇有効



●テーダブルジェー事件 東京地判平13.2.27
会長に声を出して挨拶しなかったという解雇事由

→社会通念上相当性を欠くものとして無効



●ブラザーエ業事件 名古屋地判昭59.3.23
見習い社員期間(6ヶ月~1年3ヶ月)終了後、さらに試用社員として試用期間(6ヶ月~1年)

→合理的範囲を超えているとし、公序良俗に反して無効



●神戸弘陵学園事件 最三小判平2.6.5
私立高校に1年の雇用期間で雇われた常勤講師の、期間満了による雇止めの効力が争われた

→期間を設けた理由が「適性判断のため」である場合には、期間の定めのない労働契約の下の使用期間と解すべきであり、試用期間の満了により労働契約を終了するためには解雇権の行使が許される場合でなければならない


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雇用契約とは

物を売ったり買ったりするときには売買契約、アパートを借りるなら賃貸借契約など、契約の形にはいろいろありますよね。
民法では典型的な契約を13パターンに分類しているんですが、その中のひとつが雇用契約です。

社長さんから見ると、「○○さんに働いてもらって、その分給料を払いますよ。」、逆に労働者の側からいえば「給料をもらう代わりに働きますよ」という契約を、お互いの合意のもとに締結するということです。


じゃあ、お互いの合意さえあれば
どんな内容で契約してもいいんでしょうか?



民法では双方が対等の関係という前提のもとに規定されていますが、実際の世の中では労働者のほうが立場が弱いことが多いですよね。
(少なくとも法律はそのように考えています。)

ですから、弱い立場の労働者を守るために、労働基準法をはじめとした様々な法律によって社長さんを規制しているんです。



ここに注意

たとえば、退職について。

期間の定めのない雇用契約の場合、民法627条では、「どちらの側からでもいつでも解約の申し入れができる。」とされています。
そして、解約の申し入れをしてから2週間経過すれば雇用契約は終了・・・

つまり、ある労働者を辞めさせたければ、辞めさそうとする2週間前に言えばいいということになるはずです。

でも、これじゃああまりにも労働者の負担が大きすぎるということで、労働基準法20条では「労働者を解雇しようとする場合には、30日以上前に予告するか、30日分の平均賃金を支払わなければならない」というように、民法の規定を制限しているんです。

それだけじゃありません。

労働契約法16条には、「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、権利を濫用したものとして無効とする」という条文もあります。

つまり、ちゃんとした理由のない(社長さんの気分しだいの)解雇はできないとまでされているんですね。



こうすればいい

前述の解雇に限らず、労働者の権利は法律で手厚く守られています。

「○○しなければいけない」という決まりを守っていなければ、法違反として無効とされたり罰せられたりするかもしれません。

ゲームのルールを知らなければ勝てないように、「法律を知らなかった」では通用しません。
にもかかわらず、社長さん達はあまりにも無知で無頓着で、しかも無防備です。

しかし、法律は何も一方的に社長さんをつぶしてやろうというものではありません。
きちんと決められたことをしていれば、何ら恐れる必要はありません。

決められたルールに従ったうえで、
効率的なやり方、合理的な方法を探るのは許されます。


従業員に対してきちんとした対応をするのは会社を守るためでもあります。
社長さんも自己防衛に努めましょう!



  ◎きちんとした契約書を作りたい社長さんはこちらをクリック!
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テーマ : 労働問題解決・労務リスク対策
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